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2025-03-04

兄弟間(親子間含む)売買の注意点!

兄弟間や親子間で不動産を売買する場合、通常の第三者との売買とは異なる特有の注意点がいくつかあります。税務上の問題や契約の適正性など、多岐にわたるリスクを考慮する必要があります。以下に、細かくポイントを解説します。


目次

1. 税務上の注意点

親族間の不動産売買では、適正な価格設定をしないと贈与とみなされる可能性があります。

(1) 時価での売買が原則

  • 市場価格(時価)よりも 著しく低い価格 で売買した場合、その差額は贈与とみなされ 贈与税 の対象になる可能性があります。
  • 「時価」とは、公示価格・路線価・固定資産税評価額などを参考にしつつ、実際の市場価格に基づいたものを指します。
  • 「時価の80%以上」での売買が望ましいとされています(税務上のリスクを回避するため)。

(2) 贈与税のリスク

  • 例えば、時価5,000万円の不動産を2,000万円で売却すると、3,000万円分が贈与とみなされ 贈与税が課税 される可能性があります。
  • 贈与税は税率が高いため、適正価格での売買が重要。

(3) みなし譲渡所得税

  • 売主が親族の場合、時価よりも 低い価格で売却 すると、時価で売却したとみなされ 譲渡所得税 が課税される可能性があります。

(4) 相続税対策との関係

  • 親子間の売買では、相続時に「不公平な財産分与」とならないよう、他の相続人とトラブルにならないように注意。
  • 売買価格が適正でないと、後々相続時に「特別受益」として評価され、トラブルの原因になる可能性があります。

2. 売買契約の適正性

親族間売買では、 売買の実態があるか どうかが重要になります。

(1) 契約書の作成

  • 口約束ではなく、 通常の不動産売買契約書 を作成する。
  • 重要事項説明も含め、一般的な不動産売買と同じ手続きを行う ことが望ましい。

(2) 代金の支払い

  • 親族間だからといって、代金を支払わない売買はNG(税務署に贈与とみなされる)。
  • 銀行振込などの記録を残す ことが大事(現金手渡しは避ける)。
  • ローンを利用する場合は、金融機関を通じたものが望ましい(親族間ローンは贈与とみなされやすい)。

(3) 売買の意思の確認

  • 実際には「相続対策」や「税務対策」のために売買するケースもあるが、売買の実態がなければ無効とされることもある。

3. ローンを利用する場合

兄弟間や親子間での売買は、金融機関からの 住宅ローン審査が厳しくなる ことが多いです。

(1) 一般の住宅ローンは難しい

  • 親族間売買では「担保評価」が厳しくなるため、銀行がローンを認めないケースが多い。
  • 金融機関によっては「親族間売買はNG」としている場合もある。

(2) 親族間ローンのリスク

  • 親が子供に貸す形でローンを組む場合は、「適正な金利設定」をしないと贈与とみなされる。
  • 金利0%や極端に低い金利はNG(最低でも市場金利を参考にする)。

(3) 住宅資金贈与の活用

  • 親子間売買の場合、住宅取得資金の贈与を活用すると税負担を減らせる場合がある。
  • ただし、事前に税理士に相談することを推奨。

4. 登記・手続きの注意点

親族間売買でも、通常の売買と同じく登記手続きを行う必要があります。

(1) 所有権移転登記

  • 登記手続きは必須。手続きを怠ると、後々トラブルのもとになる。
  • 司法書士に依頼するのが一般的

(2) 抵当権の問題

  • 親から子に売却する際、親の住宅ローンが残っている場合は注意。
  • ローンを完済しないと、所有権移転ができない ケースがある。

(3) 名義変更だけはNG

  • 名義変更(贈与)ではなく売買契約を行うことが重要
  • 名義変更だけ行うと「みなし贈与」とみなされ、多額の贈与税が課税される。

5. 相続との関連

親子間の売買では、相続時のトラブルを避けるための工夫 も必要。

(1) 他の相続人とのバランス

  • 例えば、長男に不動産を売却し、次男が相続のときに「不公平だ」と争うケースがある。
  • 事前に「遺言」や「遺産分割協議」を考慮することが望ましい。

(2) 売却する親が認知症の場合のリスク

  • 売主(親)が認知症など判断能力が低下していると、売買契約が無効になる可能性がある。
  • 成年後見制度の利用も検討する。

6. 売買後の税金

売買後にかかる税金も考慮する必要があります。

(1) 売主(親・兄弟)が支払う税金

  • 譲渡所得税(売却益が出た場合)
  • 住民税
  • 印紙税(売買契約書に貼付)

(2) 買主(子・兄弟)が支払う税金

  • 不動産取得税
  • 登録免許税
  • 固定資産税の負担の引き継ぎ

まとめ

兄弟間・親子間の不動産売買は、 通常の売買以上に税務リスクが高く、手続きが複雑 です。
適正な売買価格の設定や契約の適正性を確保し、 税務署に「贈与」と判断されないようにする ことが重要です。

適正な時価で売買する(時価の80%以上が望ましい)
契約書を作成し、代金をしっかり支払う
税務リスク(贈与税・譲渡所得税)を確認する
相続トラブルを避けるために遺言や遺産分割を考慮する
司法書士・税理士・不動産業者に相談するのがベスト

慎重に進めれば、親族間でも適正に不動産売買を行うことができます!

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